泉の家(N邸)民家再生・リフォームの仕事
竣工 | 2015年12月 | 所在 | 茨城県つくば市 |
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種別 | 改修 | 延床 | 46坪 |
屋根 | 既存桟瓦 | 外壁 | 杉板等 |
開口 | 木製建具・アルミサッシ | 内装 | 漆喰・杉板等 |
暖房 | 薪ストーブ・床暖房 |

外観南
つくば市北部の、歴史の古い集落の真ん中に建つ大きな三角屋根の住宅を改修させていただきました。
この住宅は昭和50年ごろ、元々立っていた農家造りの住宅の古材を再利用して建てた住宅で、今回は2度目の改修になります。
瓦屋根の状態はとても良かったので、ほとんど修復せずに改修工事を進めました。

外観北
敷地は非常に広く、写真奥に見える長屋門のほかに、蔵が1棟建っています。
以前は敷地内に蔵がもう1棟と離れが1棟、歯科診療所が1棟建っていたそうです。

玄関
採光をとりいれて明るい玄関になるように設計しました。

リビング
リビングには薪ストーブを設置しています。家の中心部分に設置することにより高い暖房効果を得ています。
内部の梁組は古材を再利用したもので新材にはない落ち着いた雰囲気を醸し出しています。

リビング
元々2間あった居室の間仕切りを取り払い、建物の南から北までを1室にまとめています。
煤竹を敷き詰めてリビングの天井仕上げとしています。
煤竹は囲炉裏の煙で燻され濃淡のある茶色に色付いた物で、美しく、趣のある空間を演出してくれます。

ダイニング
ダイニングとキッチンの床は汚れが落としやすいようにタイル貼りとしました。タイルにすることで高級感ももたらしています。
屋外の土間にも同じタイルを張り、連続性を表しました。また、冬の冷たさを床暖房で解消しました。

キッチン
キッチンとリビングは床の高さを変えており、キッチンで作業している人と、対面テーブルで食事をする人の目線の高さがほぼ一緒になるように設計しました。
キッチンで料理をしながらでもお子様の手元が見やすくなっています。

客間
改修にあたって畳の部屋を、写真の客間と寝室の2室設けました。
古来、座卓での生活に慣れ親しんできた日本人ですが、近年の住宅には和室を設けないことが多くなってしまいました。

子供部屋
2階は元の天井を剥がし、屋根裏に隠れていた小屋梁を見せるつくりにしています。
見えている小屋梁に縄をかけて簡易なアスレチックにしています。

柱の仕口
柱の埋め木を外すと「寛政八年」の文字が見えました(西暦で言いますと1796年)。
今回の工事でこの家を次の世代へつなげられたのではないでしょうか。