けんちく工房邑は茨城県つくば市を拠点に、板倉工法や民家再生をとおして、自然素材による住まいを設計から施工まで請け負う、無垢の木の家をつくる地域ビルダーです。

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建て主さんの声

城里の家(T邸)

城里の家(T邸)~2005年竣工写真

けんちく工房邑をお知りになったきっかけなど、教えてください。
子供をよりよい住環境で育てたいと考え、自宅の新築を検討していた私たちは、ある住宅雑誌で、貴社の作品に触れ、大変興味を持ちました。早速、つくば市の空き家となった民家を事務所としていた貴社を訪ねて、スタッフの方からお話を伺ったのが、貴社を知り、そして後に我が家の建築をお願いすることとなったきっかけでした。
それ以来、社長さんはじめスタッフの皆さんから、家づくりに対する考え方をお伺いしましたが、その素材、気密や断熱、照明、冷暖房、さらには古材の活用など、様々な点で共感するところが多く、また社風やスタッフの皆さんの人柄にもひかれるところがあり、我が家づくりをお願いすることとなりました。
「家づくり」で最もこだわった点は?
家づくりを行ううえで、建材も含め家全体としての住む人に対する安全性には関心をもっていましたが、その他には、私たちの家の場合は、古民家の再生であったこともあり、外観的には、もとの家の形や雰囲気をなるべく壊さないようにしたいと思いました。
また、間取り的には、家族が同じ空間で過ごす時間を大切にしたいと考え、リビングダイニングに重きをおき、個室は必要最小限としました。
木の家に住んでみての感想をお聞かせください。
無垢の木や漆喰など自然素材でその多くをつくられた家は、そこに暮らす人間の身体にもちょうど良い按配でなじむような気がします。
無垢の木が肌に触れる感触や、木の建具の隙間からのわずかな空気の流れ、自然素材の調湿作用などが影響するのか、私はこの家で過ごす時間がとても心地よく、家族ものびのびと過ごしています。
訪れたお客様も、ここは何となく「くつろぐ」といってくださいます。
ご自宅で「最も居心地のよい場所」と「最も居心地の悪い場所」を教えてください。
最も居心地の良いのは、やはりリビングの薪ストーブの前です。
最も居心地の悪い場所は…強いてあげれば、寒い夜、事前に暖めておくことを忘れたときの浴室でしょうか。
今後、広めの濡縁を増設する予定です。完成すれば、季節の良いときにはとても居心地の良い場所になることと思います。
「ここはこうしておけば良かったかな~」などの失敗談を教えてください。
浴室をもう少し広くしておけば良かったかなと思います。
浴槽も薪で沸かす五右衛門風呂が良かったかな…(これは、我が家には現実的ではありませんが)
将来的には、囲炉裏が欲しいです。
木の家の「お手入れ」について、お聞かせください。
当然ですが、木の家はメンテナンスフリーではありません。
手間がかかりますが、反面、手間をかけただけ美しく経年変化が起こります。
新築の時が一番きれいで時間と共に美しくなくなっていく家よりも、手間をかけた分、時間と共に魅力を増やす家のほうがより愛着もわくと思います。
そこで、これは希望ですが、私自身、木の家の手入れについてわからないことが多く、けんちく工房邑・監修「木の家お手入れ読本」が出版されると良いと思っています。
「設計者との打合せ」について、お聞かせください。
私たちの家の設計をしてくださった方々は、建築に素人の私たちにとても丁寧に対応してくださいました。
具体的な提案をしていただく際も、メリット・デメリットをきちんと話してくださり、私たちが判断するうえでとても参考になりました。
また、仕事上の打合せではありますが、ビジネスライクに過ぎることなく、人と人との暖かい関係が感じられ、信頼してお任せできたことを思い出します。
お忙しいなか何度も設計の打合せをお願いしてしまいましたが、我が家の子どもたちはスタッフの方々に遊んでもらうのが大好きで、設計の打合せよりも子どもたちと遊んでもらう時間の方が長かったようです。私たちにとっては大変楽しい時間でした。
設計を担当してくださったスタッフの一人に、当時、ブルガリアから日本に建築の勉強に来ていた女性の設計士さんがいました。とても熱心に取り組んでいただき、我が家の子どもたちも彼女が大好きでした。
現在は、ブルガリアにお帰りになって建築のお仕事をされていると伺っています。どうかお元気でご活躍されますようお祈りしています。
工事期間中の想い出など、お聞かせください。
私たちの家は、石岡市に約150年前から建っていた民家を移築したものですが、完成間近のある日、移築前の家に住んでいらっしゃったご主人が、新築のお祝いにと建築現場にお見えになりました。
懐かしそうに家の内外を御覧になり、自分たちが暮らしていた家の雰囲気が残されていることを喜んでくださいました。移築前の家での暮らしのことなどを伺い、移築に際して、古材を大切に扱うけんちく工房邑のスタッフの仕事ぶりとも併せ、私たちもこの家を大切に暮らしていこうと思ったものでした。
今後、木の家を建てたいとお考えの方へ、アドバイスなどお願いします。
家づくりに対する考え方は様々なものがあり、どれが正解なのか私にはわかりません。
ですが、手間がかかることを含めて、私は今の木の家の暮らしに納得をしているとともに、とても満足しています。

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