けんちく工房邑は茨城県つくば市を拠点に、板倉工法や民家再生をとおして、自然素材による住まいを設計から施工まで請け負う、無垢の木の家をつくる地域ビルダーです。

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建て主さんの声

平須の家(H邸)

平須の家(H邸)~2006年竣工写真

けんちく工房邑をお知りになったきっかけなど、教えてください。
きっかけ:インターネットのホームページ。
経緯:子供がぜんそくであり、健康に良い家ということで、木の家を探していました。
きっかけは、インターネットのホームページであり、何社かありましたが、ホームページのセンスの良さで気に入り、実際に担当者に会って、話や現物を見学させて頂きました。ハウスメーカーのようなしつこさが無く、施主の意見を取り入れて、本当に良い家を建ててくれそうな印象を受けましたので選択しました。
「家づくり」で最もこだわった点は?
健康に良い、自然素材の家。
木の家に住んでみての感想をお聞かせください。
自然素材の無垢の木をふんだんに使用しているため、木の香りが良く、呼吸が気持ちよい。子供のぜんそくもだいぶ回復しており、喜んでいる。(フローリング主体が良いと思う。)
・住み心地
① 春、秋:季節も良く、住み心地は良い。
② 夏  :窓を開ければ、風が入り、気持ちよい。エアコン無しでも扇風機ぐらいで夜も眠れる。ただ、雨が降っていたり、外が車等で騒がしく窓が開けられない場合は、暑い。
③ 冬  :薪ストーブがあり、これ一台で家中が温まるので、とても気持ちよいです。
薪ストーブはエアコンのように風を出さずに、遠赤外線で温まるので健康に良いです。薪ストーブの炎は、本当に良く燃えている状態だと、炎が薪の種類によって青や黄色等の独特の色を出し(オーロラのように見える)、炎の出方も一日として同じ出方が無いので見ているだけで、心が癒されます。薪割りも一つの楽しみです。もう一つの意外な長所は、洗濯物の乾燥です。夜、洗濯をして家の中に干しておくと、薪ストーブの熱で朝にはほとんど乾燥しており、とても役立っています。冬場は洗濯物が乾きづらいので、とても助かっています。薪ストーブは乾燥しますが、洗濯物から出る湿気は加湿器代わりにもなります。欠点としては、薪の調達があります。安く手に入る知り合い等の入手ルートがあれば良いですが、無いと、薪屋さんから購入するようになり、買うとかなり高価です。また、メンテナンスには部品交換等で意外と費用や手間がかかります。しかし、メンテナンスをしっかりやっておくと、それなりの効果が現れるのでやりがいがあります。きれいなオーロラ光を見るとメンテナンスの大変さも報われます。
④ 四季を通して:無垢の木と自然素材でできているので、仕事から帰ってくると、とても落ち着きます。これはハウスメーカーでつくったような家では味わえない感じで、訪問してくる人にも落ち着く感じで良いですねと言われます。
⑤ 採光が良く、明るい感じで良い。
⑥ 動線が良く考えられており、収納も多くしたので使い易い。
・木材の経年変化について
① 外壁は、下半分を焼杉にしています。外壁の保護は、塗装か焼杉か検討しましたが、焼杉の方が、経年変化に強いと思い焼杉(美杉)にしました。しかし、日光が当たる場所は、かなり色落ちが早く4年位で色は飛んでしまいました。日光が当たる場所と当たらない場所で差がついてしまいました。色落ちした部分については、それなりの味わいはあるのですが、塗装をした方が良いのかどうか悩むところです。
② ウッドデッキやベランダ(さわら製)は、最初は無塗装でしたが、経年変化があり灰色化が進み、痛んできました。外部の木材については、やはり塗装等が必要なのかなと感じました。
③ 家の内部の木材の経年変化については、特に問題が無いです。(杉の色が最初赤っぽかったのが、黄色に変わってきた位です。)
・木製サッシは、木の家にフィットしていて良いです。難点を挙げるとすれば、アルミサッシに比べて高価であること、雨天時は湿気を吸うので重くなり、大型の木製サッシとした場合は開閉に苦労すること、湿度の状況により微妙にずれる(木材が生きている証拠でもあります)等があります。私の家では、1階部の建具は木製サッシ、2階部はアルミサッシにしていますが、これで良かったと思っています。
ご自宅で「最も居心地のよい場所」と「最も居心地の悪い場所」を教えてください。
「最も心地の良い場所」…
吹き抜けのあるリビングルーム(夫妻)
広々とした浴室(夫)
ロフト(子)
「最も心地の悪い場所」…特に無し
「ここはこうしておけば良かったかな~」などの失敗談を教えてください。
・トイレの床面は、赤松ですが、使用しているうちに床面が汚れてきてしまいました。床面は、木でなく、汚れてもすぐ拭き取れるような素材が良かったかなと思います。
洗面台や風呂の更衣室等の水まわりの床面も赤松ですが、使用しているうちに水が付着し黒かびが発生します。このような水まわりの床面の素材も、かび対策ができるような素材がよかったかなと思います。
・冬場ですが、寒くなると断熱性の良いと言われるペアガラスでも朝になると内側が結露する場所ができます。特に寝室は人が一晩中いるせいか、朝になると窓が全面的に結露することがあり、拭かないでおくと黒かびの原因となります。結露対策もしておけば良かったかなと思います。
・家の外壁(下半分)は、焼杉にしましたが、経年変化が早かったので、砂漆喰の方が良かったかなと思います。
・ウッドデッキやベランダは、無塗装でしたが、塗装等の経年対策をしておいた方が良かったかなと思います。
木の家の「お手入れ」について、お聞かせください。
・洗面台や風呂の更衣室、トイレ等の水まわりの床面に木を使用している場合は、ワックスやマット等の、水により発生するかび対策が必要です。ワックスを使用する場合は、こまめにした方が良いです。
・床面は、蜜蝋ワックスを約1年半おき間隔で使用しています。使用感は良いです。
・ウッドデッキのお手入れは、最初無塗装でしたが、灰色化が進んできたため、オスモカラーを使用して、自前で塗装しました。素人であったため、色ムラができ、しかも色も濃い色を使用したため、木材の風合いが無くなり失敗しました。ペイントリムーバーで塗料を剥離し、ウッドリバイバーで下地処理をしたところ、新築当初の木材の下地が出て、明るい感じになりました。現在は透明の塗料を塗っております。塗料は最初から濃い色を使わない方が良いと思いました。
・浴室の床面は十和田石を使用しています。最低、週一回は丁寧に清掃しないと黒かびが生える原因となります。黒カビ等で洗剤では落ちない場合は、サンダーを当てると落ちます。また、カビハイターなどのカビ除去剤でも、噴射してから1時間~2時間等の長時間置いておくと、きれいに取れることがあります。いずれにしてもこまめに清掃することが第一です。
「設計者との打合せ」について、お聞かせください。
・施主の意見を良く聞いて、適切に反映してもらったことが良かったです。
・世界でただ一つの家というような感じになったことが良かったです。
・打合せは、仕事等の関係でなかなか「つくば」まで行けないことが多かったのですが、自宅まで何度もきてくださり助かりました。
工事期間中の想い出など、お聞かせください。
・工事の最後の頃は、引越し等の関係もあって、かなり急がせてしまったことが少し悔やまれます。
・仕事の関係上、一週間に一回程度しか見学に行けませんでしたが、進捗状況を見に行くのが楽しみでした。
今後、木の家を建てたいとお考えの方へ、アドバイスなどお願いします。
・設計から実際の施工・完成まで、木の家は時間がかかります。時間には余裕をもって対応することが重要です。家の規模にもよると思いますが、設計・施工で約2年程度は考えておくとよいと思います。
・見学会が頻繁に行われているので、実際に現物を見ることがとても参考になります。
完成した家ばかりでなく、工事途中段階での見学会もあるので、完成してからでは見られないところも見学することができ、参考になると思います。

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